都ぞ弥生


          横山 芳介君 作歌
          赤木 顕次君 作曲

都ぞ弥生の雲紫に
花の香漂ふ宴遊(うたげ)のむしろ
尽きせぬ奢(おごり)に濃き紅や
その春暮れては移らふ色の
夢こそ一時青き繁みに
燃えなん我が胸想いを載せて
星影さやかに光れる北を
人の世の 清き国ぞとあこがれぬ


豊に稔れる石狩の野に
雁(かりがね)遙遙(はるばる)沈みてゆけば
羊群声なく牧舎に帰り
手稲の嶺(いただき)黄昏こめぬ
雄々しくそびゆる楡(エルム)の梢
打ち振る野分に破壊(はえ)の葉音の
さやめく甍(いらか)に
久遠(くおん)の光り
おごそかに 北極星を仰ぐ哉(かな)


寒月懸(かか)れる針葉樹林
橇の音(ね)凍りて物皆寒く
野もせに乱るる清白の雪
沈黙(しじま)の暁霏々(ひひ)として舞ふ
ああその朔風飄々(ひょうひょう)として
荒(すさ)ぶる吹雪の逆巻くを見よ
ああその蒼空(そうくう)梢聯(つら)ねて
樹氷咲く 壮麗の地をここに見よ


牧場(まきば)の若草陽炎燃えて
森には桂の新緑萌(きざ)し
雲ゆく雲雀に延齢草の
真白(ましろ)の花影さゆらぎて立つ
今こそ溢れぬ清和の陽光(ひかり)
小河の潯(ほとり)をさまよひゆけば
うつくしからずや咲く水芭蕉
春の日の この北の国幸多し


朝雲流れて金色(こんじき)に照り
平原果てなき東の際(きわ)
連なる山脈(やまなみ)れいりょうとして
今しも輝く紫紺の雪に
自然の芸術(たくみ)に懐かしみつつ
高鳴る血潮のほとばしりもて
貴(たふ)とき野心の訓(をし)へ培い
栄え行く 我等が寮を誇らずや


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Last-modified: 2011-09-29 (木) 09:22:47 (2764d)